2017年02月16日

「韓国に生まれなくてよかった!」ー技術と労働を蔑視する異様な社会



朝、NHKのニュースを見ていたら、仕事に厳しそうな寿司職人がコハダを仕込む場面と、その寿司職人へ魚を届けている若い仲卸の男性へのインタビュー映像が流れた。
「お客さんの要望を憶えていて、それに合ったものを提供していくのが、自分の仕事。合ったものがないときは、あえて売らないこともあります。」と誇らしげに語っていた。
こうしたメンタリティは、日本人なら素直に共感できるだろう。有名店でなくても、「できるだけよいものをお客さんに提供したい」という考えが普通だし、たとえ土方のおっちゃんでも「俺がこの橋を架けたんだぜ」などと言えば、周りの人は「おう、この人は自分の仕事に誇りを持っているな」と好感を抱く。

ところが、職人の誇りや職人への尊敬の念が通じない国が身近にある。隣の韓国だ。
韓国では政治に関わる仕事が最も偉いとされ、職人は尊敬されない。それどころか、蔑視されている。料理人も、建設関係者も、有名メーカーの技術者も、技術部長でさえダメだ。マネジメントをする総務職の方が尊敬される。

父親が料理店をやっていると、母親も子どもも、友人たちを連れてその店の近くを通るのを避ける。賎しい仕事をしている姿を見られたくないのだ。大工などは、結婚したくない職業No.1だそうである。
これは古い時代からの傾向のようだ。朝鮮半島では、すぐれた焼き物でも作者の名前はほとんど残っていない。職人は賎しい仕事に従事している自分を恥じて、名前など残したがらなかった。

日本はその逆だ。技術を持った渡来人は敬意の念を持って迎えられたし、日本刀や鎧などの武具も、焼き物も作者の名前がきちんと伝わっている。
豊臣秀吉が朝鮮出兵のときに連れて帰った李参平などは、日本に磁器を伝えた功績により、佐賀県有田町の陶山神社で神様として祀られている。無理矢理連れて来られたかどうかは知らないが、自国で蔑まれているより、神様扱いしてくれる日本の方が居心地がよかっただろう。実際、李参平は親族や友人などをたくさん日本に呼び寄せている。

            ◇             ◇

韓国の職人蔑視の淵源をたどると、高麗や李氏朝鮮の両班(リャンパン)制度に行き着く。両班とは文班と武班から成る官僚制度である。
高麗や李氏朝鮮では階級制度が発達して上下の定めが厳しく決められ、官僚が最も尊敬されて人民は蔑視された。
両班が生活のために働くことは恥とされ、運動をしてもいけなかった。2階へ上がることもできなかったというから極端である。体を動かすことは、賎しい者がやることだったのだ。

しかし、両班制度の参考になった中国の官僚制度には、こんなにいびつな精神構造はない。儒学が元になっているようだが、孔子は「義を見てせざるは勇なきなり」「知らざるを知らざるとなす。これ知るなり」など、立派な人間はどうあるべきかは説いたが、「労働者は賎しい」などとは一言も言っていない。
どうやら儒学が朝鮮半島に伝わって朱子学が生まれ、形而上のものである「理」が重視され、形而下のものである「気」は軽視されたあたりに根源があるようだ。

朱子学は、その重鎮である李退渓が1000ウォン紙幣の肖像となっているほど、現代の韓国に深い影響を与えている。そのため、韓国人は心の底で労働を賎しいと考えている。

            ◇             ◇

ドイツの社会学者マックス・ヴェーバーは『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』の中で、プロテスタントたちの禁欲主義が「労働は神の御心にかなう尊い行為である」という考えを産み、禁欲主義が逆説的に、目的合理性をもってシステマティックに利益を追求する資本主義に転換していった過程を解明した。

誤解されがちだが、貨幣経済がすべて資本主義というわけではない。たとえば日本やアメリカでは知事や市長、会社の経営者が自分の給料を半額に減らして、ときには1ドル・1円にして働くことがある。それはパフォーマンスでもあるが、根底には「労働そのものが尊い」という考えがある。

韓国人は、金にならないことはしない。「人間は両班のように働かずに済めば、それが最もよい」と思っており、「汗水垂らして働くのはみじめ」と考えている。また、上と下の序列に厳しい。

その結果、次のようなことが起きる。

<技術・学問>
◎料理人や職人は蔑視される。料理人や職人は、誇りを持って働かない。
◎料理人や職人は子どもに自分の仕事を継がせたがらない。ゆえに創業100年を超える老舗など存在しない。
◎技術者の社会的地位が低い。
◎必要な技術は他国から買ってくればよいと考えている。自分の会社で技術者を育てるのではなく、日本などから引き抜いてくる。
◎部品工業が発達しない。最終製品は売るが、重要な部品は日本製。ゆえに販売が増えれば仕入れも増えて、利益性が低い。
◎労働蔑視なので、学問でも基礎研究的なことは評価されない。
◎世界的に華々しい脚光を浴びる分野に、学者が集中する。パクッてでも、成果を出すと誉められる。
◎基礎からじっくり積み上げることが必要なノーベル賞は取れない。

<社会>
◎上に立つ者が偉く、下の者は服従すべきと考えられる。
◎独立して自分の会社や店を開きたがるが、日本人が何年も修業を積んでから独立するのに対し、韓国人は修業を嫌う。結果、蔑視している家庭料理の店くらいしか出せず、すぐつぶれる。
◎よい大学を出た者は人格的にも優秀と見なされる。世界では大学名と個人の能力や人格は別ものという考えが普通だが、韓国では大学名により人間関係の序列が決定される。

<仕事・お金>
◎仕事そのものに価値はない。ただ、金を稼ぐための必要悪。
◎お金にゆとりのできた日本人は習い事などをして精神面を高めようとするが、韓国人はただ遊んで暮らしたいと思う。
◎お金は儲かればいい。一攫千金。楽して儲けろ!

「反日韓国」の苦悩(呉善花/PHP研究所)を中心に、小室直樹・大前研一の各種著書などによる。
            ◇             ◇

なんという、美しくない社会だろう。北朝鮮に生まれなくてよかったが、韓国にも生まれなくて、本当によかった。実際、韓国人自身も韓国社会を住みにくいと思っており、なんと人口の約10%にあたる450万人がアメリカなどで暮らしている。
頭のよい人、才能のある人、お金儲けの上手い人から順に、海外へ逃げ出してしまうのだ。

韓国社会の状況は深刻だ。病気の根は深く、簡単に修正は利かない。労働は好きではないが、蔑視もしないアフリカや太平洋の島々の人の方がよほどタチがいい。

韓国は表向きは資本主義だが、実際には「労働はそれ自体が尊い」とする資本主義の精神の正反対の心を持つ異様な国なのである。
posted by たぬたぬ at 14:31| Comment(0) | TrackBack(0) | 国際政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年02月02日

ヨーロッパを脅かすアラブの「人口爆弾」



夜、テレビをつけたら、「ゼロ」でトランプの移民対策や難民拒否の問題をやっていた。それなりの時間を割いてトランプを支持するアメリカの白人中間層の意見が放映されたので、「ようやく日本でも、もうひとつの面の報道もなされるようになったか」と思っていたら、キャスターが大学教授に意見を問い、「大衆にすり寄っていくのはポピュリズム(大衆迎合)だ」というまとめ方だった。

ならば、日本で難民受け入れキャンペーンでもやったらどうだ?
自分の国が外国人を受け入れるとなると「犯罪が心配ですぅ」「日本は均一社会なので、外国人の方には暮らしにくいと思いますぅ」と言い、アメリカが受け入れを拒否すると「それは許されない」では、部屋の窓を開けて、空気を入れ替えたくなる。
(日本の難民受け入れ数は、2015年度で27人しかいない。)

ちなみにトランプが入国を拒否をしたのは、イラク、シリア、イエメン、イラン、リビア、ソマリア、スーダンの7ヶ国。国名を聞いただけで「無理もない」と感じる人は多いはずだが、なぜか日本の新聞とテレビでは国名が伏せてある。
これらの国の人々に、アメリカまでの飛行機代を払えるはずがない。飛行機に乗るとすれば、例外的なビジネスマンか犯罪に関与する可能性が高い。

トランプへの批判そのものはとくにおかしなものではないが、報道の仕方はもう少し公正であるべきであろう。
(後記:国名については多少は報道されるようになったが、難民を受け入れた国でどんな問題が起きているのか、下記のドイツの事例やアメリカで起きた事件などを踏まえてほしいと思う。)

            ◇             ◇

結局のところ、アメリカがこれらの国からの入国を拒否しても、世界全体の中でのウエイトは低い。中東や北アフリカの難民が、自力でアメリカまで行ける可能性はほとんどないからだ。NGOや国際機関を通じてシリアからの受け入れは、これまでで1万5000人くらい。不安なのはむしろ、すでにアメリカで暮らしているこれらの国々の人々のビザ関係などであろう。

実際に問題に直面しているのは、ヨーロッパだ。地中海を渡り、トルコを経由して多くの難民が流れ込んでくる。シリア難民だけでも、約88万人がヨーロッパに流れ込んでいる。

難民は、無論、気の毒な人々である。私が取材した中でも、「AAR Japan 難民を助ける会」の人から聞いた話がある。その人はガーナの難民キャンプでリベリアから逃げてきた女の子に会い、「君には未来があるじゃないか」と励ましたら、こう言い返されたという。
「あなたは戦争を知らないでしょう。目の前で両親を殺されたこともないでしょう。銃を向けられたこともないでしょう。あなたには帰る国があるわよね。でも、私にはここが終点なの。」

胸が詰まる話だが、衣食足りて、教育を受けて礼節を知るのもまた人間である。
2015年12月31日から翌2016年元旦にかけて、ドイツの有名な観光地ケルンの大聖堂前広場や中央駅で、中東や北アフリカから来た1000人以上の移民による集団強盗強姦事件が発生した。公衆の面前で、下着まで剥ぎ取られた女性もいる。規模が大きく、警察官でさえも簡単には手が出せなかった。
これだけではない。ヨーロッパ諸国では、移民による強盗事件や強姦事件が頻繁に起き、社会問題化している。
※ドイツのウィキペディア記事「Sexuelle Übergriffe in der Silvesternacht 2015/16」によると、2015年大晦日〜2016年元旦には、推計で述べ1276件の犠牲者が発生。ケルンで1182件。うち497件が性的侵害。強姦はその一部であろうが、有名な事件である。にもかかわらず、日本のメディアは報じていない。「自粛」したのだろう。

            ◇             ◇

怖ろしいことに、シリア難民の問題など、実は氷山の一角に過ぎない。
中東や北アフリカの諸国ではこの30年間で人口が2〜3倍以上に膨れ上がっており、しかも人口ピラミッドは25歳以下の若年層が全体の7割前後を占めている。
少子高齢化に悩む日本から見ればうらやましい限りであるが、若者過多社会の弱点は雇用だ。子ども4〜5人のうち2人くらいは、何とか職にありつけるかもしれない。しかし、残りの2〜3人は無理である。これを「人口爆弾」という。

「人口爆弾」を抱えた時代は日本にも西洋にもあり、国内に働き口がない場合、次のような方法で解決してきた。

1.他国へ出稼ぎに行く(明治末期〜昭和初期の日本では、南米などへの移民が奨励された)。
2.他国を植民地化する(西洋帝国主義の理由のひとつ)。

この2つ以外では、戦争くらいしか解決策はない。

            ◇             ◇

ヨーロッパは、非常に難しい問題に向き合っている。地理的に近い位置にある以上、どうしたって難民はやってくる。「人口爆弾」も膨れ上がっているから、出稼ぎ者もやってくる。ヨーロッパが受け入れを拒否すれば、生きていくための選択肢として、犯罪に走るか、IS(イスラム国)やボコ・ハラムのような戦闘集団に「就職」するしかなくなる。そうなれば、中東・北アフリカ諸国の不安定要因になる。
そうかと言って、受け入れればヨーロッパ社会の不安定要因となる。

ケルンの事件のあと、ドイツのメルケル首相は「それでもドイツは難民を受け入れていく」と発表した。EU最大の国としての責任感、人道的な配慮、労働力を確保して経済力を維持しようとする打算もあるだろう。

そんなメルケルの対極にトランプがいる。トランプの発言が面白いのは、「きれいごとはやめよう!」という姿勢で貫かれ、現実と理想の乖離をあぶり出しているからであろう。

さて、人口増から人口抑制に転換する現実的なきっかけは、アジアやインドの歴史を参考にすると、「教育熱」である。どの町にも勉強ができる子がいて、「山田さんちの太郎君は、東京の大学を出て、○○物産に入って親のために家を建てた」などという話が出てくる。なかには町の若者数十人分以上の金額を1人で稼ぎ出す者もいる。そうしたことをきっかけに、子どもひとりひとりに教育費をかけるために、人々は子どもの数を減らすようになっていく。

だが、このような状況が起きるには、ある程度経済発展を始める必要がある。中東・北アフリカ諸国では、それほど石油が出るわけではないのに経済力があるのはチュニジアくらいで、地域大国であるエジプトの失業率も25%ほどに達している模様だ。人々が教育のために子どもを減らす段階には至っていない。
ヨーロッパへの移民は、まだまだ増え続けるだろう。

トランプは、メルケルの移民受け入れ策を「重大な誤り」と批判した。将来、「トランプの言ったことが正しかった」とならないことを祈るばかりである。
posted by たぬたぬ at 10:09| Comment(0) | TrackBack(0) | 国際政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする