2011年04月02日

子ども手当の財源のあきれた実態

子ども手当は、「財源なきバラマキ」と批判されています。経済情勢の悪化を受けて貧困化が進み、切実に子ども手当を必要としている家庭も少なくないですが、切迫していない家庭にまで配っている以上、「バラマキ」という批判が消えることはないでしょう。

さて、今日の話題は「財源なき…」の部分です。

子ども手当には、実は裏があります。今年の1月から給料の手取り額が下がった方も多いでしょう。
これは「年少扶養親族に対する扶養控除」が廃止されたためです。これまで1歳〜15歳までの扶養親族がいる場合、1人あたり38万円の所得控除が認められていましたが、それが廃止されて、徴収される税額が増えました。

このことについて、財務省では「所得控除の額を増やすよりも、一定額を支給する手当の方が、所得水準に応じて高所得者に大きな負担を求めることになり、低所得者に相対的に手厚い支援が実現できる」と説明しています。

また、厚生労働省では、「年少扶養控除が廃止されても月額1万3000円の子ども手当を受給していれば、年間を通じてみたときに、ほとんどの世帯が手にする額は増加する」と説明しています。

これを信じるなら、子どものいる家庭の多くにとって、差し引きプラスになるというわけです。

ただ、問題はその「差し引きの額」です。仮に1万3000円もらっても、3000円税金が増えれば、差し引き1万円です。
さらに、自民党・公明党が与党だった頃の児童手当では、3歳〜小6まで5000円が支給されていましたから、同条件の家庭なら実質、プラス5000円に過ぎません。それで目を見張るほど家計が楽になるとは思えません。

国が子ども手当の財源としているものは、国民の給料のほかにもうひとつ、地方自治体の財源(そのもとは国民の税金)があります。

この点、地方から激しい批判を受けています。たとえば、神奈川県の松沢知事は「全額国費でやるとマニフェストで言っておきながら、うそつき政権、詐欺政権だ」と批判しています。
また、横浜市の林文子市長は読売新聞社のアンケートに対して、「子ども手当のような現金給付は国が責任を持ち、保育所や子育て支援の整備など地方が行う現物サービス給付とバランスをとるべき」と回答しています。
横浜市には保育所に入れない待機児童が、約1500人もいますから、子ども手当への協力の名の下に持って行かれるお金を、どんなに保育所にまわしたいか、想像できます。
子ども手当には少子化対策の意味はありますが、私も保育所の増設や運営にまわした方が、明確に少子化対策になると考えています。


そうはいっても、3月末の参議院本会議で子ども手当のつなぎ法案が可決され、成立してしまいました。

私は、今でも子ども手当はよくないと考えておりますが、現実には、もし、つなぎ法案が成立しなかった場合、本年度の子ども手当は支給されずに、金額的に少ない以前の児童手当にもどり、しかも「年少扶養親族に対する扶養控除」は廃止されて、税金だけが増額されるという事態になるところでした。

混乱を避けることができたのは、幸いだったのかどうか。ビミョーなところです。
ラベル:子ども手当
posted by たぬたぬ at 09:42| Comment(0) | TrackBack(0) | 財政 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:


この記事へのトラックバック