2016年04月23日

プラスチックはどのようにリサイクルされるのか、原理を知っておこう



プラスチックごみの回収の日にごみ置場に行ったら、若いサラリーマン風の男がオバサンに怒られていた。ごみ袋からビーチサンダルが透けて見えていたのが、原因だ。私の市では古いサンダルは「燃えるごみ」に出すことになっている。
しかし、見たところ、そのビーチサンダルは合成樹脂だけだったので、「大丈夫ですよ」とアドバイスをした。
ついでにプラスチックのリサイクルの理屈について説明しようと思ったが、そこまでやるとヘンなオジサンと思われそうなので、やめた。代わりにこのブログで解説しようと思う。

プラスチックをリサイクルする最も簡単な方法は、熱で溶かして気化し、冷却して液体にもどすことである。プラスチックの原料になるのは、原油の中でもかなり軽い成分で、ナフサという。ガソリンもナフサなので、これで車を走らせるくらいはできる。
しかし、原始的な方法なので、その時々でもどした液体の成分は微妙に違い、あまり精度が高い方法とは言えない。次の写真は油化したプラスチックだが、その時々で色も多少違う。

プラスチック油化.jpg


1. ガス化

全社会的にプラスチックをリサイクルしていくには、それなりに大掛かりな仕掛けが必要になる。それは、次のように行われている。

プラスチックごみは収集されると、リサイクル工場へ運ばれて行く。そして、まず初めに加圧器で圧縮されて小さな固まりになる。この固まりが、ベルトコンベアでガス化炉に運ばれる。

ガス化炉の内部は、低温ガス化炉と高温ガス化炉の2連構造となっている。
まず、低温ガス化炉の中でプラスチックを600〜800℃に熱して溶かし、金属や石などを取り除く。そして、高温ガス化炉に送り込み、酸素と水蒸気を加えて1400℃の高温で処理すると、プラスチックを気化して出来たガスは水素と一酸化炭素になる。

ガス化.jpg

2-a.水素の処理

水素には空気中に大量に含まれる窒素を化合させる。これによりアンモニアが生成される。このアンモニアをもとにして、再びプラスチックのボックスや合成樹脂の衣類、肥料、接着剤、薬品などがつくられるのだ。
これがプラスチックのリサイクルの根幹である。

アンモニアの生成.jpg


2-b.一酸化炭素の処理

ひとつオマケがある。プラスチックから出来たガスは水素と一酸化炭素になったが、もう一方の一酸化炭素も処理しなければならない。一酸化炭素はそのままでは毒なので、酸素と化合させる。すると二酸化炭素になる。
この二酸化炭素は清涼飲料水の工場へ送られて、シュワ〜という泡になる。
その他、ドライアイスにもなり、ケーキの保冷から棺桶の中の遺体の保存まで、冷却を必要とするさまざまな場面で利用される。

二酸化炭素の生成.jpg

以上がプラスチックのリサイクルの原理である。こういう理屈を知っておけば、ごみ出しの分類の意味もわかるだろう。

なお、話を最初にもどすと、ごみ捨ての仕分けについては、基本的にはオバサンが正しい。サンダルには金具がついていることもあれば、中に紙のようなクッション材が入っていることもあるからだ。行政の分類は、その辺を踏まえたものだろう。

しかし、自分の目で判断できるなら、適宜、きめ細かく対応した方がより地球にやさしいという考えもあるだろう。
posted by たぬたぬ at 12:02| Comment(0) | TrackBack(0) | 環境問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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